毎日同じことをしながら
毎日が違う
日々勉強です
毎日が違う
日々勉強です
渡辺酒造 釜屋
田辺 稔彦
田辺 稔彦
Q.蔵人としてのお仕事はなんですか?
A.「釜屋」です。お米を蒸す工程を担当しています。
ウチの蔵は分業制で、それぞれの工程を決まった人間が担当しています。お酒造りで大切なことは「一麹二?(もと)三造り」とよく言われますが、その前にまず「洗米と蒸し」が完璧にできていいることが重要です。
何しろ、蒸米がなくてはお酒造りは始められませんから、酒造りの一番最初の仕事です。
Q.蒸米造りで大変なことは何ですか?
A.毎日が大変です。昨日と今日では同じお米でも全く違うんです。
お酒造りは10月から3月まで半年続きます。当然気候も違いますし、水の温度も違いますよね。
同じお米を同じ時間水に浸しても、その時の外気温、気圧、釜の蒸気圧によって毎日蒸しの状態は変ってきてしまうんです。
お米は釜の蒸気が上がってから約1時間程で蒸しあがりますが、その違いを見極めながらどれだけ納得のいく「完璧な蒸米」に近づけられるかが日々の勉強です。毎日同じ手順で同じことをやっていますが、毎日違う仕事をしている気持ちですね。
Q.渡辺酒造さんのお酒の特徴は何ですか?
A.若々しくフレッシュなお酒が多いです。
若々しい感じが出ている生酒が多いですね。搾りたてでフレッシュな味わいなお酒を得意としています。
香りはそれほど強くはないですが、爽やかさを感じさせる酵母を使っていますし、出来上がった時が味が乗って一番おいしい状態に仕上げています。
日本酒を飲みなれない方や女性の方でも飲みやすいお酒が多いと思います。
もちろん深い味わいのお酒もあります。13種類の原酒を味わいに合せてブレンドしているので、好みに合ったお酒が見つけられると思いますよ。
Q.田辺さんが個人的にお好きな銘柄は何ですか?
A.普通酒の「小町桜」ですね。
岩手から来ている杜氏や蔵人も晩酌としてよく飲んでいます。吟醸や大吟醸など30%近く磨かれたお酒もとても綺麗で美味しいんですが、65〜70%程度しか磨いていない普通酒の小町桜には懐かしいような、米の味わいを感じられる美味しさがあります。
飛騨のお米を飛騨の水で仕込んだ、まさに「地酒」の味ですね。
つまみは何でもいいです。気取らず、食事のお供にピッタリのお酒です。
飛騨では熱燗が主流で皆アツアツな状態で飲んでいますが、私は猫舌なので「ぬる燗」です。