歴史
創業元禄八年、
今もなお受け継がれる伝統
蔵元に残る酒の取引の文献によると、二木酒造が酒造りを創めたのは元禄8年(1695年)。今もなお受け継がれる伝統
飛騨の地が幕府直轄地になり、幕府から高山城破却の命令が出された頃に当たります。もとは石川県に住んでいたことから、屋号は「加賀屋」となっておりますが、様々な文化が育まれる飛騨に移り住むようになり、現在古い町並みと呼ばれる高山市上二之町にて蔵を構え酒造りを始め、その酒造り一筋に今日の十五代目まで続く飛騨高山の酒蔵の中でも老舗の造り酒屋となっております。
蔵の中央には酒造りに使用していた清冽な井戸水が沸く井戸があり、その様子から名付けられた銘柄「玉の井」は昔から今も飛騨高山の酒として人々に愛されております。
酒造り
吟醸造りによる
変わらない旨さと新しい旨さ
千変万化と巡る季節とともに、旨い酒があります。変わらない旨さと新しい旨さ
飛騨という山国の清らかな水、飛騨産の優れた酒米、寒冷な冬の気候。この満ち足りた風土が酒の旬を味わい深いものに変えていきます。そして春夏秋冬、季節が作り出す様々な気候風土は、酒を旨くする要素となり、それを考えながら、その季節に合う酒を造っております。
二木酒造では、創業以来の長い歴史と伝統により味を守り続け、吟醸造りのみで酒を醸す飛騨で唯一の吟醸蔵として今に至ります。
変わることない旨さ、そして新たに生み出されていく旨さがそこにはあります。そこには、季節に合わせて酒の旬を楽しむんでいただきたいという、蔵元の酒に対するこだわりが感じられます。
吟醸造り
蔵の心・知恵・技が生む酒
二木酒造では冬の間、能登と新潟からやってきた熟練の技を持つ杜氏が丹精込めて飛騨の蔵人と酒造りを行います。そこで行われる酒造りは吟醸造りと呼ばれる大吟醸や吟醸酒造りに使用される伝統的な手法で行われます。
杜氏が持つ技と精米歩合60%以下のより良く精米した酒米を使用し低温でじっくりと発酵させ作り上げます。
それは、徹底した酒米や吟醸造り専用の酵母などの品質管理や温度管理が必要とされ、通常より時間と手間が掛かる造りとなっております。しかし、その分出来上がった酒の香りは高く華やかで、雑味なく口当たりの良い酒ができます。
これら吟醸造りにより二木酒造の酒は旨みを増していきます。
酒の旬
季節に合わせた旨い酒
旬を楽しむ心を大切に、二木酒造では旬の味を醸しております。酒は冬しか仕込みませんが、造りによって旬に合う酒を出荷しております。
春先から出荷する「氷室 大吟醸 生酒」は大吟醸酒を生酒のまま出荷するという、冷蔵庫が普及した近代から現在に至るまでに生酒ブームを起こした先駆けであります。
そして、その氷室の兄弟品「氷室 純米大吟醸 生酒」は純米醸造の吟醸造りということもあり、秋頃には完売してしまう限定品となっております。
また「大吟醸ひやおろし 秋麗の炎」は、冬に搾った大吟醸を夏を越えて熟成させ味が乗ってきた秋以降に発売するお酒で、このように季節によって私たちに飛騨が育んだ贅沢な味わいを与えてくれます。